バロックの時間

先月末、オーケストラの本番があったので、今回はその話を。

本番があったのはマーキュリー・バッハ・アカデミーというオーケストラで、昨年に引き続き2回目の参加となりました。

一橋大オケOBのバロック好きが中心となっている団体で、「アカデミー」といっても別に学校ではなく、バロック音楽をみんなで学んでいこうという方向性を示しているものです。

プログラムは以下の通り。

バッハ:管弦楽組曲第3番BWV1068
バッハ:ヴァイオリン協奏曲イ短調BWV1041
(独奏・高田あずみ)
ヘンデル:水上の音楽

指揮・小田透

演奏会場は高円寺カトリック教会。

そう、「高円寺純情商店街」で有名な高円寺にあります。

昨年に引き続き、ヴァイオリンの独奏は高田あずみさん。

指揮の小田透さんは、読売日本交響楽団のヴァイオリン奏者。

ですが、実は大の古楽好き。

読響に在籍しつつ、ベルギーのデン・ハーグ王立音楽院に2年間留学して、寺神戸亮の元でも学んでいます。

小田さんがしてくれるバロック音楽の話はとても興味深く、また、演奏のたとえ話はおもしろいものばかりで、毎回の練習はとても充実したものでした。

………

バッハの管弦楽組曲第3番は、個人的には初挑戦の曲。

「G線上のアリア」として有名な、あのAirがこの組曲の一部であったことも今回はじめて知りました。

1曲目のOuvertureにはトランペットやティンパニも加わっており、とても華やか。

Ouverture後半のファーストヴァイオリンには、コンチェルトのように難しいパッセージが頻出します。

が、俺はセカンドだったので難を逃れました。

2曲目はヴァイオリン協奏曲イ短調。

この曲は鈴木メソッドの教本に載っているので以前から知っていたものの、トゥッティを弾いたのは初めて。

本番、あずみさんの演奏は、言うまでもなくすばらしいものでした。

そのすばらしい演奏にのんびり耳を傾ける余裕は、俺にはまったくありませんでしたが…

Bach_2 

バッハ:ヴァイオリン協奏曲集

独奏:寺神戸亮
バッハ・コレギウム・ジャパン

演奏後は、あずみさんのアンコール。

俺は、あずみさんがアンコールを弾き始める直前の左手の形が見えたとき、思わず心の中で、

(キターーーーーーーーーーッ!)

と叫んでいました。

曲は、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第2番からAndante。

ちょうど本番2週間前の練習後の飲み会の帰り。

メンバーの方と話をしていて、あずみさんにお願いするアンコールの話題になり、俺は、「あのアンダンテをやってほしいですねぇ」という話をしていたのです。

アンコールを聴いていたあの時間は、まさに至福のひと時。

この時間が永遠に続いたら…と思わずにはいられませんでした。

………

さて、後半はヘンデルの「水上の音楽」。

最初の練習の時、初見にもかかわらず、「これ、どこかでやったかなぁ…」という感覚だったので、よくよく考えてみると、昔、福大オケで水上の音楽のオーケストラ編曲版をやっていたことを思い出しました。

しかし、今回は全曲。

オーボエとホルンが活躍するへ長調の組曲にトランペットが活躍するニ長調の組曲、リコーダーが入るト長調の組曲、合わせて22曲!

キャラクターのまったく異なる曲を立て続けに演奏するのは、かなりの集中力を必要とします。

演奏が終わった時は、もう疲労困憊。

ただ、お客さんから拍手をもらっている間は、「俺は結局、この時間のために音楽をやってるのかなぁ…」なんて思えるほど、とても満たされた気持ちになりました。

アンコールに、再び水上の音楽から「アラ・ホーンパイプ」を演奏して、コンサートは幕を下ろすこととなりました。

Savall

ヘンデル:水上の音楽

ル・コンセール・デ・ナシオン
ジョルディ・サヴァール

………

さて、演奏会も終わり一段落。

と思いきや、明日は別のオーケストラの本番です(笑)

というわけで、次回はその話でも。

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のぼせた…!

ごぶさたしておりました。

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

俺はといえば、年末は28日が仕事納めだったので29日に福島に帰り、今日、千葉に戻ってきました。

千葉に戻ってくると、肌に突き刺さるようなあの福島の寒さが恋しいような気もします。

年末年始は、大学時代の友人とお酒を飲んだり、のんびりミカンを食べながらテレビを見たりと楽しく過ごしました。

が、やはり、年末年始恒例のイベントと言えば、akacello、T男くんとの日帰り温泉旅行。

というわけで、昨日、3人で温泉に行ってきました。

今回の目的地は高湯温泉。

俺は去年と同じように、バッグの中にタオルとCDを入れ、自宅近くまで迎えに来てくれたakacelloの車に乗り込みました。

今年のCDはこれ。

Photo_5

「美しい朝」
さだまさし

「私は犬になりたい」などのヒット曲を収録した、さだまさしの最新アルバムです。

年末年始は、国技館ライブにNHKのトーク番組出演と大忙しだったさだまさし。

この温泉旅行のBGMとして、さだまさしの歌声もすっかり定着した感があります。

さて、3人を乗せたakacelloの車は、市街地を離れ、雪の残る山道を上り、目的地である「玉子湯」へと到着しました。

が、なんと日帰り温泉は14時までになっており、断念。

というわけで「玉子湯」から少し上ったところにある温泉へ。

新しく、木目がとてもきれいな建物です。

入口には、

「気温が低いため、露天風呂の温度が低下しております」

というはり紙が。

これがその後のハプニングの伏線になっていたということは、この時は知る由もありませんでした。

3人は、250円の入浴券を購入して、いざ露天風呂へ。

乳白色の湯に身を沈めると、1年の疲れをすべて取り去ってくれるような心地よさ!

雪景色も本物です。

途中、屋根の上から雪がドサっと落ちてきて、akacelloとT男くんの2人は、あやうく頭から雪をかぶるところでした。

そんなこんなで楽しい時間を過ごし、気がつけば1時間経過。

そろそろ出ようかということになり、俺は、2人に続いて露天風呂から上がり、脱衣所へと向かいました。

脱衣所のドアを開け、バスタオルが入ったかごを探そうとしたその時、ふと、視界が狭くなり、意識が朦朧としてきます。

あれ…

やばい…

このままじゃ、倒れる…

何か支えになるものを…

探さなきゃ…

あ…

気がつくと、俺は椅子に座って、洗面台の上にうつ伏せになっていました。(まるで授業中に寝るような姿勢で)

首を冷たいタオルで冷やしてもらい、水を飲むと、少しずつ意識がはっきりしてきます。

意識が戻ってから5分ほどで、なんとか自分で立ち上がり、服を着て、普通に歩けるまでに回復しました。

俺、のぼせちゃったのか…

akacelloとT男くんは時々お湯から上半身を出していたのに、俺は、心地よさに身をまかせ、ぬるめのお湯に浸かりっぱなしで1時間。

温泉をなめてはいけないと、いろいろ反省するよい機会になったと思います。

akacelloとT男くんには迷惑をかけてしまいましたが、忘れがたい日帰り温泉旅行となりました。

(ちなみに、俺が意識を失っていた数分間、脱衣所では、周囲の人を巻き込んだドラマチックな展開があったそうですが、いかんせん俺は何も覚えていないので、詳しくは2人に)

akacello、T男くん、ありがとう。

その後、さだまさしをBGMにakacelloの車は山道を下り、市街地へ。

去年と同じ店でラーメンを食べ、食後1時間ほどまったり過ごし、年末年始恒例のイベントは幕を下ろすこととなりました。

さて。

休みは今日で終わり。

明日からまた頑張ろう…

1年後、温泉へ行けることを楽しみに。

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アルカント・カルテット 第1夜

気がつけば夏も終わり、秋の気配が漂い始めた今日このごろ。

今年、突如として現れた9月の大型連休、シルバーウィーク。

みなさんはどのように過ごされましたか。

俺はと言えば、高校時代のオケの同期の結婚式やアルモニカの演奏会で、連休は瞬く間に終わってしまいました。

とはいえ、福島で高校時代の友人に会い、仙台でハイドンを演奏し、非常に充実した時間を過ごせたと思います。

そして昨日。

半年間、ずっと楽しみにしていたコンサートに行ってきました。

………

4月下旬の、とある週末のこと。

午前10時から、俺は、一向につながる気配のない電話をひたすらかけ続けていました。

その日は、アルカント・カルテットのコンサートのチケット発売日。

以前の記事でも書いたように、アルカント・カルテットとは、ヴァイオリンにダニエル・ゼペク、アンティエ・ヴァイトハース、ヴィオラにタベア・ツィンマーマン、チェロにジャン=ギアン・ケラスという一流の演奏家で結成された弦楽四重奏団。

BS-2のクラシック倶楽部でその演奏を見て以来、俺はアルカント・カルテットの演奏の虜となり、繰り返しその録画を見続けていました。

何度見ても新たな発見があり、その演奏に引き込まれてしまうのです。

Photo_3 

ブラームス:弦楽四重奏曲第1番、ピアノ五重奏曲

アルカント・カルテット
ピアノ:ジルケ・アーヴェンハウス

そのアルカント・カルテットが再び来日すると知った時、絶対コンサートに行こうと心に決めたのでした。

というわけで、王子ホール・チケットセンターに電話をかけ続けること1時間。

つながった時にはすでに残席が僅かになっていましたが、無事にチケット(第1夜と第2夜のセット券)をゲットすることができました。

そしてその日から、コンサートのプログラムに合わせて、今まで聴いたことのなかった様々な弦楽四重奏曲のCDを聴き込む日々が始まったのです。

………

そして昨日。

職場の最寄り駅から、地下鉄に揺られること15分。

開演30分前の午後6時半に、銀座の王子ホールへと到着しました。

胸の高鳴りを抑えるのに必死だったということは言うまでもありません。

プログラムは以下の通り。

第1夜 ~夜はかくの如し~

ドビュッシー:弦楽四重奏曲ト短調
デュティユー:弦楽四重奏曲「夜はかくの如し」
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第6番へ短調

午後7時。

拍手とともに4人がステージに姿を現します。

一流のプレイヤーと空間を共有できる喜びと、そのことがまだ信じられないでいる自分と…

4人の音が高い次元で重なってホールを満たし、そして、車窓の景色が移り変わっていくように次々と音楽の表情が変化していきます。

フランスの現代作曲家、デュティユーの曲では、弦楽器から出せる音をフルに使って幻想的な雰囲気を作り、メンデルスゾーンでは、まるで4人の間で火花が散っているかのような情熱的な演奏を聴かせてくれました。

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メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲集
ヘンシェル・カルテット

アンコールは、ブラームスの弦楽四重奏曲第1番の第3楽章。

そして、万雷の拍手に答えてもう1曲、ラベルの弦楽四重奏曲ヘ長調から第2楽章を演奏して、第1夜のコンサートは幕を下ろすこととなりました。

………

ちなみに、第1夜のコンサートのファースト・ヴァイオリンは、最初から最後までアンティエ・ヴァイトハース。

カルテットの演奏はファースト・ヴァイオリン奏者のカラーが色濃く反映されるだけに、ぜひとも第2夜では、ダニエル・ゼペクにファースト・ヴァイオリンを弾いてほしいところです。

月曜日の第2夜のプログラムに並んでいる作曲家はハイドンにベートーヴェン。

というわけで、月曜日が待ち遠しいという不思議な週末を過ごしています。

はたして、どんな演奏を聴かせてくれるのか…

楽しみです。

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