ブラームスはお好き?

初夏のように暖かい日が続いている東京。

福島の桜は今ごろ満開でしょうか。

報告が遅くなりましたが、俺は先月、横浜から千葉へと引っ越し、この4月から東京での社会人生活をスタートさせました。

新しい街での生活にも、早起きして通勤電車に乗る生活にも少しずつ慣れてきたところです。

………

忘れてしまう前に、先月久しぶりに聴きに行った神奈川フィルのコンサートの話を。

珠玉の名旋律、と銘打たれたその演奏会。

会場はミューザ川崎。

プログラムは、

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ブラームス:交響曲第1番

指揮:ハンス・マルティン=シュナイト
ヴァイオリン:石田泰尚
チェロ:山本裕康

神奈川フィルの首席奏者2人によるコンチェルト。

この2人は、オケの首席奏者としての活動とは別にデュオを組んでコンサート活動を行っており、昨年は「Duo」というDVDも出しました。

DVDが発売された当時、その映像がCD店で流れていて、「かっこいいなぁ…」と思いながらぼんやり眺めていたものです。

そんな2人の演奏からは、丁々発止のやり取りというよりも、お互いの信頼とリスペクトの上に音を積み重ねているような、そんな印象を受けました。

(ちなみにアンコールは、パプロ・カザルスが国連で弾いた、あの「鳥の歌」をヴァイオリンとチェロのために編曲したものを演奏)

ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲

Photo

ヴァイオリン:ルノー・カプソン
チェロ:ゴーティエ・カプソン

マーラー・ユーゲント管弦楽団
チョン・ミュンフン

さて、2人が弾くコンチェルトを堪能した後、メインとして控えているのは交響曲第1番。

もちろんコンマスを務めたのは石田泰尚。

第2楽章のヴァイオリン・ソロの美しい音色に酔いしれたことは言うまでもありません。

指揮者のハンス・マルティン=シュナイトは、この3月をもって神奈川フィルの常任を辞し、ドイツに帰国することになっています。

演奏が終わってからも数分間、シュナイトへの感謝の拍手が止むことはありませんでした。

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シューマンはお好き?

先週末、東京のオケの練習がありました。

次回の演奏会は5月。

その演奏会のプログラムに、シューマンの交響曲第2番があります。

俺自身、シューマンの交響曲は初挑戦。

まだ指が回らないところも多いのですが、なかなかおもしろいという印象です。

しっかり練習しなければ…

ところが、実はこの曲、演奏会のメインではなく中プロなのです。

このあとに控えている大曲については、また別の機会に。

………

さて、そのシューマン。

今まで演奏する機会がなかったということもあり、シューマンの作品はほとんど聴いたことがありませんでした。

シューマンを聴くようになったのは去年の春。

神奈川フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を聴きに行ったことがきっかけでした。

たまたま見た神奈川フィルのポスターが、シューマン・シリーズと題してシューマンの作品を中心に取り上げる演奏会。

学生料金が1000円という格安の値段だったこともあり、せっかくだから聴きに行ってみようという気になったのです。

神奈川フィルの演奏会を聴きに行くのはこの時が初めてではなく、その1ヶ月前、神奈川県立音楽堂での演奏会を聴きに行ったのが最初でした。

その時のプログラムは、

ハイドン:交響曲第82番「熊」
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」

指揮:ハンス=マルティン・シュナイト

そして、この時はじめて神奈川フィルのコンサートマスター石田泰尚を見ることになります。

髪は金髪、手首には派手なミサンガ…

ステージの彼を初めて見たとき、『のだめカンタービレ』の峰君を彷彿とさせるその風貌に面食らってしまいました。

しかもそのコンマスぶりはオーバーアクションじゃないかと思えるほど大胆。

そう、まるで峰君のように。

その演奏会の帰り際、ロビーの売店を覗いてみると、売られていたのは「石田様」と書かれた黒いTシャツ…

「なんだ、あいつ…」

そんな印象しか残りませんでした。

………

その1ヶ月後のシューマン・シリーズ。

神奈川県立音楽堂で行われたその演奏会のプログラムは、

シューマン:序曲、スケルツォと終曲
シューマン:ヴァイオリン協奏曲
シューマン:交響曲第1番「春」

指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
ヴァイオリン独奏:石田泰尚

演奏に期待していたというよりも、「あの派手なコンマスは、いったいどんな演奏をするんだろう…」という興味が先に立っていたような気がします。

ステージに登場した石田泰尚、その立ち居振る舞いは相変わらずキザで、いかにも客の視線を意識しているかのよう…

そうして始まったシューマンのヴァイオリン協奏曲。

石田泰尚は、弾き切ったその勢いで右腕をぐるっと回したり、思いっきり腰をかがめてみたり…と相変わらず。

でも…

確かに動きは派手だしオーバーアクションのように見えますが、そのせいで演奏が不自然に誇張されるわけでもありません。

むしろその音は、糸車から紡ぎ出される糸のように繊細で、シューマンの協奏曲をいっそう味わい深いものにしています。

俺は、その演奏に吸い寄せられ、そして魅了されていました。

映画『ルパン3世 カリオストロの城』にたとえて言えば、ラストシーンで銭形警部がクラリスに言ったあのセリフそのもの。

やつはとんでもないものを盗んでいきました

…あなたの心です

そう、第3楽章が終わった時、俺の心は完全に石田泰尚に盗まれていました。

あの大胆なアクションも彼の内側から自然に出てくる表現なのだと、いつしか理解できるようになっていたのです。

アンコールは、神奈川フィル首席チェロ奏者、山本裕康とのデュオで「トロイメライ」。

2人が弾き終わり、会場はしばしの静寂。

そして割れんばかりの拍手。

すばらしい演奏を聴いた後というのは、休憩時間になっても座席から立ち上がりたくないという心境になります。

少しでも長く、その余韻に浸っていたい…

そんな演奏でした。

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シューマン:協奏曲、交響曲集

ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
指揮:ニコラウス・アーノンクール
ヨーロッパ室内管

休憩後のプログラムはシューマンの交響曲第1番「春」。

驚いたことに、その曲のコンサートマスターを務めるのは、前半に協奏曲を弾いたばかりの石田泰尚でした。

完全に心を盗まれてしまった俺は、そのコンマスぶりに見とれるばかり。

すべてがかっこよく見え、その存在感に圧倒されていたのでした。

………

さて、ここまでは去年の春先の話。

そして先週、久しぶりに神奈川フィルの演奏会を聴きに行ってきました。

数ヶ月前からチケットを入手して、楽しみにしていたコンサートです。

その話は次回に。

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シューベルトはお好き?

それでは先月の話を。

1月中旬、福島に帰って、「福高・橘OBOGオーケストラ」の演奏会に参加してきました。

メインは、シューベルトの交響曲第7番「未完成」。

本番前日が俺にとっての初合わせです。

その日、誰がそのオケに参加しているのかも分からないままに練習場所である音楽堂へと向かいました。

橘オケのOB・OGが多いようでしたが、コントラバスに福高オケの後輩を発見!

久しぶりの再会でした。

思い返せば俺が高校2年生の時。

当時コンサートマスターだった俺は、冬の演奏会は福女との合同演奏会になるだろうと勝手に考え、はりきっていました。

ところが、待っていたのは、合同演奏会を断られるという何とも無情な結末。

その原因として、福女の定演の時に福高ヴァイオリンパートが贈ったプレゼントがいけなかったという憶測も飛び交いましたが、真相は定かではありません。

そんな思い出話はさておき。

今回のOB・OGオケの指揮者は、当時福高オケ顧問のK先生。

K先生の指揮で演奏するのは、高校3年夏の、あの定期演奏会の時以来です。

俺の胸は高鳴っていました。

またK先生の指揮で演奏できる日が来るなんて…!

でも、不思議なことに、いざ練習が始まってみると、高校時代を思い出すというような懐かしさを感じることはありませんでした。

まるで、昨日もK先生が指揮をする合奏に参加していたかのように、「あの日」からの時間を感じなかったのです。

あの古い音楽室で、K先生やオケのみんなと過ごした濃密な時間は、今でも体にしっかり染み込んでいるんだなぁと思わずにはいられませんでした。

ただ、K先生が指揮をするときの顔は、以前よりも表情豊かになっているような気はしましたが。

そして本番当日。

その日はヴァイオリンの後輩とも再会。

会うのは高校を卒業して以来だというのに、

「先輩、最近セカンドしかやってないって聞いたんですけど本当ですか?」

という、いきなり俺の急所を突くような質問に狼狽。

彼は、俺が高校3年生の時の1年生。

そのころの彼は、俺の記憶では、ヴァイオリンを続けるかやめるかのラインを行ったり来たり。

そんな彼が大学オケでも楽器を続けていることに自然とうれしさがこみ上げてきました。

OBオケを作って演奏会をしようという話は、福高オケの同期と飲むときもよく話題に上っています。

でも、実際は夢物語。

そんなオケを作ってしまった橘オケOGは本当にすごい!

そのおかげで、俺もK先生や後輩たちと再び同じステージの上で演奏できて…

感謝しています。

とても楽しく忘れがたい2日間となりました。

………

俺が福高オケに入って最初の演奏会で演奏した曲でもある交響曲第7番「未完成」。

それ以来、「シューベルトといえば未完成」という、そんなイメージしか持っていませんでした。

このCDを聴くまでは。

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シューベルト:交響曲集

フランス・ブリュッヘン
18世紀オーケストラ

シューベルトの初期の交響曲は明るい曲が多く、ハイドンやモーツァルトの音楽を感じさせるものばかり。

あの「未完成」を思わせるものはありませんでした。

シューベルトが交響曲第6番を作曲してから、次の交響曲である「ザ・グレイト」を発表するまでかかった時間は8年。

その間シューベルトは、当時も偉大な存在であったベートーヴェンの音楽と格闘していたと言われています。

そう、シューベルトは勝負に出たのです。

「スラムダンク」に例えていえば、海南大附属の牧をおさえるために、桜木以外の4人を牧につけ、桜木を神のマークにつけるという大胆な作戦に出た安西先生のように。

その8年の間に書かれた交響曲の断片的なスケッチのひとつが「未完成」。

また、当時は不治の病とされた病気にかかってしまい、ベートーヴェンの音楽と闘いながら、死の恐怖とも闘わなければいけなくなったシューベルト。

それを機に、シューベルトの作風はガラッと変わりました。

当時シューベルトが友人に宛てた手紙にも、自分の境遇を嘆き、幸福を夢見るような文章が綴られています。

そんなわけで、今回の演奏会は、俺自身も今までとは少しちがう気持ちで「未完成」に取り組むこととなりました。

それにしても、中途半端に投げ出した作品が自分の代表作のひとつとなっていることをシューベルトが知ったら、どう思うだろう。

なんか俺も心配になってきた…

どうしよう…、遠い将来、俺のノートから未発表のダジャレの断片的なスケッチが発見されて…なんてことになったら。

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貯金箱の中

遅くなりました。

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

さて、俺はといえば、年末は福島で過ごし、元旦に横浜へと戻ってきました。

早々と横浜での現実に連れ戻されると、福島での楽しかった年末は、まるで夢だったかのように感じられる今日このごろ。

そんな中で、楽しい年末が夢ではなかったと証明してくれるものがあるとしたら、それは、部屋のテーブルの上に置かれているパンダの貯金箱。

福大の演奏会前日、T男くんに、旅行のおみやげとしてもらったものです。

まだ、貯金箱の中には1円も入っていません。

でも、今こうして貯金箱を見ながらブログを書いていると、年末のいろいろな出来事が自然と脳裏によみがえってきます。

そう、この貯金箱の中には、年末の楽しかった思い出がぎっしりと詰まっているのです。

………

先月の24日は、福大管弦楽団の定期演奏会でした。

サマーコンサートには参加しなかったので、福大オケの演奏会に出るのはちょうど1年ぶりになります。

今の3年生が中心となっている福大オケに参加するのは初めてで、1年生とは初顔合わせになりました。

プログラムのうち、ドボルザークの交響曲第9番「新世界より」は、ちょうどその1ヶ月前に東京のオケで本番を終えたばかり。

でも、他の曲は初めて演奏する曲で、しかも前日のゲネが練習初参加となってしまったので、なかなか感じをつかめずにいました。

とはいえ、となりでしっかり弾いていた1年生が、実は大学に入ってから楽器を始めたということを聞いてしまっては、俺も発奮せずにはいられません。

新しい世代に頼もしさを覚えつつ、「自分もしっかり弾かねば」と、気持ちを引き締めて本番に臨んだのでした。

自分にとって最後の福大の演奏会。

音楽堂大ホールでの様々な記憶が頭の中をぐるぐると回り、演奏中、楽譜がめくられていくことに初めて寂しさを覚えました。

交響曲の中で最も有名な曲と言っていい「新世界」を俺が演奏したのは、高校からのオケ生活の中でも、1ヶ月前の東京での演奏会が初めて。

その「新世界」を2ヶ月続けて演奏することになるとは…

もし、福大の演奏会のメインが「新世界」ではなく別の交響曲だったら、俺は、今回の演奏会にはおそらく参加していないでしょう。

福大オケの演奏会に出たいという気持ちはあっても、初めての交響曲を、前日のゲネだけで本番に臨み、演奏する度胸はありません(それと技術も)

偶然とはいえ、音楽の神様に感謝せずにはいられませんでした。

福大オケでの出会いと経験が、今の自分を支える大きな柱のひとつとなっていることは、横浜で生活している現在でも変わりません。

そして、これからも変わらないと思います。

そんな福大オケとともに、音楽堂大ホールでイブの夜を過ごせたことは、俺にとって最高のクリスマス・プレゼントでした。

………

さて、話は変わって28日のこと。

その日、俺は、akacello、T男くんと3人で温泉へ行ってきました。

今回の目的地は飯坂温泉です。

1年前と同様、俺は、バッグの中にタオルと着替えの他にCDを入れていきました。

3

「さだまさし ベスト3」

誤解を招くといけないので付け加えておきます。

これは、さだまさしのもっともよい曲が3曲入っているCDではなく、デビュー30周年を記念して発売されたベストアルバムのうちの3枚目です。

もしかしたら、楽しいドライブのテンションが、ガクーンと下がってしまうかもしれない…

CDをバッグに入れる時、そんな不安が一瞬だけ頭をよぎりましたが、よぎらなかったことにしました。

さて、T男くんと俺を乗せたakacelloの車は、国道13号線から飯坂街道へ。

北上するにつれ、路肩に残っている雪の量も少しずつ増えていきます。

飯坂の町に入り、温泉街の狭い路地を抜けて、目的の温泉へとたどりつきました。

館内は、年末の休日だけあって家族連れも多く、にぎやかです。

まずは、1年分の疲れを取るべく大浴場へ。

「カミナリ風呂」や「りんご風呂」など様々なお風呂を楽しみ、あらためて温泉の効用を再確認。

その後、フロアの違う露天風呂へ。

湯に浸かった後で外気に触れると、いや寒いこと寒いこと。

でも、その分だけ、露天風呂に入ったときに体の芯からジワリと温まっていきました。

雪景色を眺めながらの露天風呂の心地よさと言ったら…!

風呂から出た後は、渇いた喉を潤そうと牛乳を探しましたが、自販機でも売店でも結局見つけることができず。

こうして3人は、心身ともに潤いを取り戻したものの、喉を潤すことができないままに、雪の残る飯坂の温泉街をあとにしたのでした。

………

予想していたことではありましたが、横浜に戻ってきてみると、雪はまったくありません。

というか、雪がまったくありません。

年末は、掃除も何もせずに福島に帰ってしまったので、アパートの部屋は散らかったままでした。

いつもは実家で正月を満喫しているはずの元旦に、ひとり、部屋の片付けと掃除…

「まぁ、こんな元旦もありか…」なんて思いながら、俺の2009年はスタートしたのでした。

そして今週末。

急遽、福島に帰ることになりました。

元旦に横浜へ戻って以来、礼服と革靴はボストンバッグに入れっぱなしでしたが、そこにまた着替えを詰めて、楽器を持って。

さて、今後どんな展開が待っているのか、楽しみです。

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寒い家路

ゆっくりと 12月の
あかりが灯りはじめ
慌ただしく 踊る街を
誰もが好きになる

…なんて口ずさみながら、人通りのない夜道をとぼとぼと歩いてアパートへ帰る今日このごろですが、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

先月は、アルモニカの演奏会で始まり、締めくくりは水星交響楽団の演奏会。

バロック・古典派から近代音楽への道のりが果てしなく長く感じられた1ヶ月でした。

………

ストラヴィンスキーの『春の祭典』は、自分にとって苦しい挑戦だったというのが正直なところです。

技術的に難しかったというのもありますが、それ以前に、曲の中に入っていけませんでした。

これは、ふだん近現代の音楽をまったく聴いていないというのも一因のような気がします。

最近は特に、古典派より後の時代の音楽にほとんど接していなかったので、そのギャップはあまりに大きなものとなっていました。

野球に例えて言えば、ストラヴィンスキーの曲は、今の自分の守備範囲では、ダイビング・キャッチを試みても取れるような打球ではなかったのです。

これからは食わず嫌いでいることをやめて、少しずつ自分の守備範囲を広げる努力も必要なんじゃないか、と。

今回の演奏会を終えて、そんなことを考えました。

というわけで、最近こんなCDを聴いてます。

バルトーク:弦楽四重奏曲第5番、第6番

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アルカント・カルテット

ヴァイオリン: アンティエ・ヴァイトハース、ダニエル・ゼペク
ヴィオラ: タベア・ツィンマーマン
チェロ: ジャン=ギアン・ケラス

バルトークのCD、初めて買いました。

アルカント・カルテットの「アルカント」というのは、イタリア語の弓(アルコ)と歌(カント)をつなげたものです。

ゼペクは、ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンのコンサートマスターのひとり、チェロのケラスは、ソリストとして間違いなくその世代の先頭集団を走っているうちのひとり。

超一流の奏者が集まって結成されたカルテットです。

なぜ、このカルテットに興味を持ったのかというと、以前、NHK-BSのクラシック倶楽部で放送された演奏会を見たのがきっかけでした。

そのとき演奏された曲は、モーツァルトの弦楽四重奏曲第19番『不協和音』とラヴェルの弦楽四重奏曲。

その躍動感あふれる演奏に魅せられ、引き込まれてしまいました。

というわけで、正確に言えば、バルトークに興味があったのではなく、アルカント・カルテットに興味があったので、このCDを聴き始めたわけです(笑)

近代音楽を代表する作曲家バルトークの曲を今までほとんど聴いたことがなかったので、これを突破口にできれば…

………

ついでに、最近の寝る前の楽しみは、このDVDを見ることです。

バッハ:ピアノ協奏曲集

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ピアノ:ダヴィッド・フレイ
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン

CDの録音風景を、リハーサルも含めて撮影したものです。

バロック時代の作品はオリジナル楽器によって演奏されるのが潮流となっている昨今、「バッハをピアノで?」とDVDを見る前に少しだけ思ってしまったことは否定しません。

でも、このフレイの演奏を聴いて、そんなことを考えるのはまったくナンセンスだったと思い知らされました。

ドイツ・カンマーフィルは、今月号の『音楽の友』で「ハイブリッドな演奏集団」と形容されているように、バロック音楽から現代音楽まで幅広く演奏するオーケストラ。

ベートーヴェンの交響曲は言わずもがな、なんとストラヴィンスキーも録音しています。(組曲「兵士の物語」)

結局、表現の手段がオリジナル楽器であればオリジナル楽器を、モダン楽器であればモダン楽器を使えばよく、伝えたいものがあれば、楽器が何であれ伝わる…、そんな気がしました。

………

小声で歌いながら夜道を歩いていて、いちばん恥ずかしいのは、すぐ近くを人が歩いていることに気づいたとき。

そんなときは、さりげなく立ち止まって、その人との距離が開くのを待つしかありません。

そして、その人との距離が開いたら歩き出すわけです。

いつまでも立ち止まってはいられない!

ちゃんとアルカント!

…なんちゃって。

横浜も、最近はずいぶん冷え込んできました。

福島は、もう雪が降ったみたいですね。

何かと忙しい時期、風邪など引かぬよう…

立ち止まってる 僕のそばを
誰かが足早に 通り過ぎる
荷物を抱え 幸せそうな顔で
  (「いつかのメリークリスマス」より)

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合宿 あれから10日後

先々週の3連休は福島へ帰って、アルモニカの合宿に参加しました。

裏磐梯はずいぶん冷え込んでいたので、横浜が暖かく感じられる今日この頃です。

合宿が終わった翌日から、俺は、ひどい筋肉痛に苦しめられていました。

というのも、合宿の最終日に激しく運動してしまったため、ふだん使っていなかった筋肉が悲鳴を上げたのです。

合宿3日目の午後、akacelloとばばちんが持ってきたグラブを借りて、ぼっちょとキャッチボールをしました。

久しぶりのキャッチボールということもあり、最初はリリースの感覚を思い出せずにいたのですが、遠投したことで腕がふれるようになり、少しずつ感覚も戻ってきます。

調子に乗った俺は、全力でボールを投げることに快感を覚え、ぼっちょのグラブめがけてガンガン投げ込んだのでした。

………

野球の話が出たついでに。

数ヶ月前、こんな本を読みました。

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「頭脳のスタジアム」 吉井妙子著(講談社文庫)

松坂大輔、城島健二、松中信彦、和田毅、宮本慎也、…といった、一流のプロ野球選手へのインタビューをもとに書かれた本です。

このインタビューの趣旨は、プロ野球選手がどのように頭を使っているかを探ること。

彼らの運動神経が人並み外れているのは言うまでもありませんが、ただ天性の素質にまかせて体を動かしているのではなく、頭もフル稼働させて技術を磨いているということを、この本は教えてくれます。

ところどころでスポーツ科学の専門家が、選手達の話をもとに、彼らがどういうメカニズムで体を動かしているのかということも解説しています。

もちろん脳の話ばかりではありません。

やはり一流の選手達だけに、野球に取り組む中で転機となった経験や忘れられないエピソードは、どれも興味深いものばかり。

そんな中でも特に印象に残っているのは、ヤクルト宮本の話。

宮本は、現在では守備の名手として知られていますが、そんな宮本にも、大学最後の試合で平凡なゴロをトンネルしてチームが負けるという苦い経験があり、そのことが基本を大切にする今の姿勢につながっている、とのこと。

野球の奥深さを改めて感じることのできる1冊です。

………

ちなみに、この本の帯に文を書いていたのは、脳科学者の茂木健一郎。

最近、茂木健一郎が書いたこんな本を読みました。

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「ひらめきの導火線」 茂木健一郎著(PHP新書)

さて、なぜこんな本を読んだのかと言えば、あまり大きな声では言えませんが、実は、演奏会が目の前に迫っているというのに、ダジャレが一向に思い浮かばないからです。

以前なら、作曲家や曲名を見ただけでパッとひらめいていたはずのに。

ダジャレが思い浮かばない今の状態を、「魔女の宅急便」に例えて言えば、黒猫のジジと会話ができなくなったキキのよう。

というわけで、スランプ脱出のための糸口をこの本に求めたわけです。

はたして俺は、「ひらめき」を取り戻すことができるのか。

演奏会まで、あと10日。

オレからダジャレをとったら もう何も残らねぇ…!

………

先日、アパートに帰って来てラジオをつけると、プロ野球のクライマックスシリーズ阪神・中日戦の模様が中継されていました。

実況のアナウンサーが、

「代打は…、桧山です!」

と言ったとき、俺の頭にすぐ浮かんできたのは、あの漫画に出てくる登場人物の顔。

そう…、合宿で久しぶりに野球の血が騒いだ俺は、とうとう読み始めてしまいました。

もはやアルモニカの課題図書と言っても過言ではない、あの野球漫画を!

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時の旅人

今月上旬にあったバッハの演奏会は無事に終わりました。

社会人のオケに参加するのも、一流のプロ奏者と共演するのも初めてのことだったので、毎回の練習が刺激的で、貴重な経験になったと思います。

「ここは、こういうふうに弾くのよ。」

という感じで、高田あずみさんが出す音は本当に表情豊か。

「なるほど!」と思ってやってみても、うまくいかないことがほとんどでしたが、音のイメージの幅は広がったような気がします。

………

先月、お盆で福島に帰るとき、電車の中でこんな本を読んでいました。

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「宮沢賢治 ちくま日本文学003」(ちくま文庫)

日本人作家の代表作をコンパクトな文庫本に収めているこのシリーズ。

画家、安野光雅の表紙の絵も魅力的ですね。

さて、なぜこんな本を読みたくなったのかというと、ちょうどその頃にあったバッハ・オケの練習後の飲み会で宮沢賢治が話題に上ったからです。

旅行の話になり、岩手県が出てきて、宮沢賢治にたどりついたのでした。

その宮沢賢治の作品のひとつ、「セロ弾きのゴーシュ」。

主人公のゴーシュは、「金星音楽団」という、町の活動写真館のオーケストラに所属してチェロを弾いています。

練習で指揮者にいじめられ、落ち込んで家に帰ってくるゴーシュのところに、毎晩、様々な動物がやってきて…という話でした。

ずいぶん前に文庫本で読みましたが、飲み会の話題に上ったのを機に、ふと読み返したくなったのです。

正確に言えば、この話、文庫本で読む前にアニメ映画で見ていました。(この映画が、幻の名作と呼ばれていたことを飲み会で初めて知った!)

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監督:高畑勲

この映画では、BGMにベートーヴェンの交響曲第6番「田園」が使われており、それが作品に深い味わいを与えています。

「金星音楽団」が、本番に向けて練習しているのも「田園」。

さらに、話の中に出てくる「インドの虎狩り」のような架空の曲も、作曲家の間宮芳生が実際に曲を書き、それが使われているというかなり凝った作品です。

福島に帰ってから、このビデオテープを探し出して久しぶりに見ましたが、今見ても、「音楽っていいなぁ」と思わせるシーンがたくさんあり、穏やかな気持ちになりました。

自身もチェロを弾いていた宮沢賢治の音楽への愛情が、作品の中にあふれているような気がします。

ちなみに、映画で「田園」を演奏していたのは、岩城宏之指揮のN響でした。

………

さて、話は変わって、今回バッハの演奏会に乗ったことが縁で、別のオーケストラに入ることになりました。

「水星交響楽団」という一橋大学のOB・OGオーケストラです。

(なんか、ゴーシュが所属している「金星音楽団」に似ている…)

11月の下旬に本番があり、そのプログラムは、

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」
ストラヴィンスキー:春の祭典

というわけで、楽譜をもらう前にさっそく練習に参加したのですが…

「新世界」は、演奏するのは初めてでも曲のイメージはあったので、初見でもそれほど驚くことはありませんでした。(「初見で弾けた」という意味ではない)

ストラヴィンスキー作曲「春の祭典」、通称ハルサイ。

1913年のパリにおける初演では、聴衆の歓声と怒号が飛び交うスキャンダルを引き起こした問題作。

練習に参加する前にCDは買ったのですが、冒頭部分を少し聴いただけで合奏に臨むことになりました。

もちろん初見。

どんな曲なのか、期待と不安が半分半分。

しかし、実際に合奏が始まると、そんな感情は瞬く間に吹っ飛びました。

「なんだこりゃ………!」

まず、楽譜を見てもまったく反応できない変拍子の嵐。

1小節ごとに、3/16、2/16、3/16、4/16、2/16、3/16、…

まるで分数を習ったばかりの小学生のための計算問題のよう。

その他にも、今まで見たことのない音型が続出していてまったくついていけません。

管楽器、打楽器がドンチャンやってる中、譜面をにらんでいてもリズムがまったく分からないので、終いには隣の人の弓の動きを見ながら音を出す始末。

はからずも、当時の聴衆が受けた衝撃を追体験することとなってしまいました。

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指揮:サイモン・ラトル
バーミンガム市交響楽団

………

というわけで、バッハからストラヴィンスキーへ、その移動距離は約200年!

ちなみに、タイトルの「時の旅人」というのは、俺が中学生の時、隣のクラスが合唱コンクールで歌っていた曲です。

何かいいタイトルはないかなぁと考えていて、ふと思い出しました。

横浜は、いつのまにか夏の暑さも去り、過ごしやすい日が続いています。

そして、夜は強風が吹き荒れる毎日。

(そういえば「時の旅人」の出だしは、「めぐるめぐる、風~」)

気がつけば、もう秋ですね…

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モーツァルトはお好き?

8月24日(日)、午前。

俺は、東北本線下りの電車に乗って、一路、福島を目指していました。

その日はアルモニカ内の発表会の日。

寒さのせいで、せっかく買ったアイスコーヒーを飲む気にもなれず、車窓に広がる田園風景をぼんやり眺め、物思いにふけりながら電車に揺られていたのでした。

長袖持ってくればよかったなぁ…
俺のダジャレより寒い…

いや、そもそも俺のダジャレは寒くない!
何言ってんだ、俺は…

………

6月の、とある週末の午後。

俺がいたのは、YAMAHA横浜店の楽譜コーナー。

アルモニカ内の発表会のために、何かいい曲はないかと楽譜を探していたのでした。

akacelloとヘンデルをやるのもいいけど、せっかくだから何か新しい曲をやりたいなぁ…

モーツァルトに、「ヴァイオリンとチェロの二重奏曲」ってのがあるみたいだけど、楽譜ないかなぁ…

そんなふうにして、モーツァルトのコーナーの楽譜を出したり引っ込めたりしていたその時、偶然手にしたのがこの曲。

Divertimento KV 563
Violine, Viola und Violoncello

へぇ~、モーツァルトにこんな曲があったんだ…

ヴァイオリンとヴィオラとチェロの弦楽三重奏か…

そうだ!

akacelloとT男くんとトリオを作ってこの曲をやったらおもしろそうだ!

というわけで、さっそく楽譜を購入して、2人へ送ることに。

このとき俺は、この曲がモーツァルト晩年の傑作であり、モーツァルトの室内楽曲の中では難曲のひとつに挙げられていることをまったく知りませんでした。

………

いざ練習を始めてみると、あまりの難しさに「これを人前で弾くのは…」と挫折しそうになります。

楽譜を初めて見た時に、この曲は一筋縄では行かないと分かっていましたが、実際に弾いてみて、自分の見通しが甘かったことに気がつきました。

しかし、すでに楽譜を2人に送ってしまった手前、「やっぱり難しいからやめよう!」なんて、かっこ悪すぎて言えません。

フランソワ・フェルナンデス(Vn)、寺神戸亮(Vla)、ライナー・ツィパーリング(Vc)のすばらしい演奏をCDで聴いていても、あせりが募るばかりでした。

そして、3人での初合わせの練習日。

超スローテンポではありましたが、何とか第1楽章の最後の小節までたどりつきます。

ところどころに出てくる難所はスローテンポでも相変わらず弾けませんでしたが、それでも、3人で合わせてみて、改めてこの曲の魅力に触れた気がしました。

頻繁に出てくる美しい旋律の重なり、会話のような音型…

「もう少しうまく弾けたら、もっと楽しいはず…」

というわけで、本番の日まで必死の抵抗を試みていました。

こうして迎えた本番。

指が回らないところはやっぱり回らないし、もう少しうまく弾けたのにと思うところもあったけど、3人で演奏するのはとても楽しく、充実した時間を過ごすことができました。

無謀な挑戦をしたおかげで、いろいろと学ぶことの多かった発表会だったと思います。

akacello、T男くん、ありがとう!

………

横浜へ帰ってきたら、また真夏に逆戻り。

暑い日が続いています。
(と思ったら、どしゃ降りの雨が降ったり)

そして、いよいよ今週の土曜日はバッハの本番です。

友人が何人か見に来てくれる予定なので、しっかり頑張ろうと思います。

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バッハはお好き?

気がつけば梅雨も明け、夏本番。

横浜は、ただ外を歩いているだけで汗が吹き出てくる今日この頃です。

きっと福島も同じように暑い日が続いていることでしょう。

さて、今年の夏は、俺にとって「暑い」だけではなく「熱い」夏になりそうです。

というのも…

………

「○○はお好き?」シリーズ第3弾。
マーラー、ハイドンと時代を遡ってきて今回はバッハ。

そのバッハの代表曲のひとつであるブランデンブルク協奏曲。

「ブランデンブルク」とは本来ベルリン一帯を指す地名ですが、この曲の場合はブランデンブルク辺境伯という個人名を指しているそうです。

バッハが新天地に職を求めて、自分の実力をアピールするために書いたのではないかとも言われるこの曲。

ちなみに、俺が聴いているCDはこれ。

Photo

ムジカ・アンティカ・ケルン
ヴァイオリン:ラインハルト・ゲーベル

さて、前置きが長くなりました。

なぜこんな話を始めたのかというと、実は今年の夏、友人を通して知った、とある合奏団の演奏会(9月6日)に参加できることになり、そこでブランデンブルク協奏曲の第4番を演奏することになったのです。

社会人が主体のその合奏団は、今までバッハの曲を中心に取り上げてきた団体で、過去にはブランデンブルク協奏曲全曲やマタイ受難曲も演奏しています。

今回のプログラムは、

テレマン:トランペット協奏曲(原曲はオーボエ)
ヘンデル:合奏協奏曲 作品6-1
バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番   (他に小品を数曲)

そしてブランデンブルク協奏曲のヴァイオリン独奏は、OLCやBCJのコンサートミストレスのひとり、高田あずみさんなのです。

というわけで、さっそく先週の日曜日に初めて練習に参加して、今週の月曜日は俺にとって初めての高田あずみさんも参加する練習でした。

しかし、楽譜をもらってから1週間、結局まともに練習することもできずにあずみさん練を迎えることになってしまいます。

当日は、練習不足で指が回らないうえに、演奏中はどうしてもあずみさんのソロに目と耳が行ってしまうので、俺は、全盛期の野茂のフォークボールのように落ちまくっていました。

それでも、プルトを組んだおじさんはとてもうまい人で、休憩時間にピゼンデルのソナタを弾いているような人だったので、かなり助かりました。

(ちなみに、あずみさんはモダンのヴァイオリンを弾く)

テレマンの協奏曲では、あずみさんがゲスト・コンミス。

で、俺はファースト!

あずみさんのすぐ後ろで弾くことができ、うれしいやら逃げ出したいやら…

そんなわけで、こんな貴重な経験ができる機会はめったにないと思うので、これからしっかり頑張ろうと思います。

………

練習終了後は飲み会。

さすがにバッハ好きの人たちが集まっているだけあって、みなさんかなりマニアックです。

いっしょにプルトを組んだおじさんは、俺にビーバーについて熱く語ってくれました。

チェロの方々は、「スパラなんて認めない」と強硬に主張されていました。

そんなこんなで楽しい時間を過ごしていましたが、俺は少し早めに切り上げなければいけません。(練習場所は東京)

合奏団の主催者の方に「お先に失礼します」と挨拶をしようとしたその時、なんと、その近くに座っていたあずみさんが俺に声をかけてくれたのです!

あずみさんは、その昔、福島高校管弦楽部の定期演奏会でメンデルスゾーンの協奏曲を演奏されているので、もしあずみさんと話す機会があればそのネタで行こうと決めていました。

「あの…私、福島県出身なんですけど…、(中略)、覚えていらっしゃいますか?」

すると、あずみさんは、

「あー、懸田君がいた時ね。」

と即答!
(注:OLCのチェロ奏者、懸田貴嗣氏は福島高校出身)

「実は、俺、福島で、リベラ・クラシカをモデルにしたようなオケのセカンド・ヴァイオリンをやってるんですけど…」

もう、ここから先はしどろもどろ、何をしゃべっているのか自分でも分からなくなってしまいました。

緊張と興奮と、少々のアルコールのせいで…

こうして俺は飲み会の席を後にして、夢見心地のまま地下鉄に揺られ、横浜へと帰路についたのでした。

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ハイドンはお好き?

先週の日曜日の話。

天気はどしゃぶりの雨。

しかし、そんな雨にも負けず、午後、俺は京浜急行線に乗って横浜から築地に向かっていました。

その日、浜離宮朝日ホールで何があったのかというと、

古楽レクチャー 「若き楽長ハイドン ~没後200年を前に~」
お話:鈴木秀美

鈴木秀美がハイドンについて語るイベントで、いつもOLCが使う大ホールではなく、小ホールで行われました。

さすがに演奏会の時ほど人は集まっていないようです。

レクチャーは、まずハイドンの弦楽トリオの演奏で始まりました。

その後、画像や地図、OLCの録音を交えながら、ハイドンの生涯について鈴木秀美がユーモアたっぷりに話していきます。

ローラウというオーストリアの小さな村で生まれたハイドン(ねずみ年で早生まれ)は、少年歌手としてウィーンの聖歌隊で活躍していましたが、変声期になって美しい声が出なくなり、聖歌隊から追い出されてしまいます。

アマチュア演奏家にピアノや音楽を教える暮らしでなんとか生活をつなぎ、紆余曲折を経て、幸運にも貴族エスターハーズィ家の宮廷副楽長のポストにたどりつきました。

やっと腰をすえて仕事ができる場所が見つかり、そこでたくさんの交響曲を作曲することになります。

結婚に失敗した話とか(悪妻だったらしい)、宮廷楽長にいじめられた話など、他にもおもしろいエピソードが満載でした。

そして、レクチャーの最後にはもう一度トリオの演奏。

「エスターハーズィの宮廷でも、ヴァイオリンはファーストが名手トマジーニ、セカンドがハイドン、そしてチェロのヴァイグルで、こうしてトリオを演奏したのでは」という話の後に演奏が始まりました。

小さいホールで、しかも前のほうに座っていたので、楽器から紡ぎ出される音の表情をじかに感じることができ、「やはり古楽器の演奏は近くで聴くに限る」ということを再確認したように思います。

Photo

ハイドン:チェロ協奏曲集

チェロ:鈴木秀美
ラ・プティット・バンド

そういえば、かく言う俺も、ねずみ年の早生まれで同じヴァイオリンには名手がいるためにいつもセカンド…

ハイドンといっしょだ!

というわけで、レクチャーを聴いてからというもの、急にハイドンに親近感を覚えるようになってしまいました。

ハイドンと会話をしたら、きっと、

ハイドン 「なに?君もずっとセカンドなのか?」
俺 「はい、そうなんです!」
ハイドン 「そうか…、私もヴァイオリンはずいぶん長くやってるんだがね、さすがにトマジーニ君にはかなわないよ。ハハハ!」

みたいな感じになるのでは。

そんなわけで、ハイドン熱も高まっている今日このごろです。

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